愛知県名古屋市のかもめ法律事務所の弁護士は、刑事事件に力を入れております。ご家族が逮捕されたとき、ご自身が犯罪をしてしまったときなど、お気軽にご相談ください。
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一口に「痴漢」と言っても、処罰される根拠は様々です。
痴漢で捕まるケースというのは、次のような場合があります。
①愛知県迷惑行為防止条例違反
スカートの上からお尻に触っただけというような軽微な場合です。
初犯の場合、30万円から50万円程度の罰金となることが多いようです。
法定刑 「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」
②不同意わいせつ罪(刑法176条)
下着の中に手を入れるなどのわいせつ行為をしたような場合です。
罰金刑がないため、起訴されれば正式な裁判となります。
法定刑 「六月以上十年以下の懲役」
③不同意わいせつ致傷罪(刑法181条)
不同意わいせつをした際に、被害者に怪我をさせてしまった場合です。
とても重大な犯罪ですので、起訴されると、裁判員裁判になります。
親告罪ではありませんので、被害者の告訴がなくても立件されます。
法定刑 「無期又は三年以上の懲役」
③公然わいせつ罪(刑法174条)
たくさんの人の前で性器を露出したような場合
法定刑 「六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」
女性からみると憎むべき痴漢事件の犯人ですが、当事務所でこれまで弁護を担当してき
た依頼者の方は、実社会の中では生真面目な人物であることが多いです。
男性であれば、女性の体に触りたいという欲求を持っているのが通常ですから、すべての男性が痴漢の犯人になる動機があるようにもみえます。しかし、理性を持っている一般男性は、当然、そのような卑劣な行為はしません。にもかかわらず、これをしてしまう犯人というのは、家庭や職場でストレスを抱えながら、健全に性欲を満たす手段を持たないまま、くすぶっている人物であるというのが典型例です。つまり,必ずしも性的欲求を満たすためではなく,ストレスを解消するための行動が犯罪となっていることが多いのです。
このように、犯罪とは縁のなさそうな、ごく普通の男性が事件を起こしてしまうことが
多く、警察の捕まってしまったときの本人や家族の衝撃は大きいです。
また、常習性が高いというのも痴漢事件の特徴です。
生まれて初めて痴漢したら、捕まってしまったという人は少数派です。たいていは、何
件もやっているうちに、警戒心が緩み捕まってしまったというケースです。
そのため、痴漢をしてしまった動機を見極め、再犯を防止するための取り組みを弁護士
と一緒に考えていく必要があります。本人の反省だけでなく、家族ぐるみで見守っていく
ことが大事です。また、治療やカウンセリングのため心療内科等に通院することが必要な
こともあります。これらの取り組みが、裁判でも評価され、本人の今後の更生にもつなが
っていくことになります。
痴漢が発覚するケースとしては、次のような場合があります。
容疑がはっきりしている場合、その場で現行犯逮捕されてしまうことがあります。容疑がはっきりしていない場合や行為の内容が軽微な場合、警察から任意同行を求められ、取調べを受けることになります。
任意同行の場合、強制ではありませんが、拒否すると後日逮捕状が出て、逮捕されることもあります。
もっとも、初犯で、かつ、軽微な痴漢でしたら、親や妻などの身元引受人に迎えに来て
もらって、その日のうちに帰宅することができることもあります。
その後は、普通に会社や学校に通って生活することができますが、1,2回程度、警察
に呼ばれて取調べを受けることになります。逮捕されずに、自宅で生活しながらの捜査な
ので在宅捜査などと呼ばれます。取調べの日程については、仕事の都合を聞いてくれます
ので、ある程度調整が可能です。
取調べでは、事件の経緯や身上経歴、過去の余罪などを聞かれます。
一通り捜査が終わると、捜査をした事件の記録が検察庁に送致されます。ニュースでよ
く耳にする「書類送検」というやつです。
その後は、検察庁から、1回くらい呼び出され、再度、事件の経緯などについて聴取さ
れた後に、処分が決定されます。初犯であれば、略式起訴と言って、正式な裁判ではな
く、裁判所で審理をすることなく、簡略な手続で罰金刑を受ける手続がとられることが多
いです。もっとも、交通違反の罰金と異なり、「前科」として検察庁の犯歴票、市町村の
犯罪人名簿などに登録されてしまいます。
次のような場合は逮捕されることがあります。
逮捕されると、警察の留置場に入れられることになります。逮捕中は、家族であっても
接見することはできません。
次に、48時間以内に、検察庁に送致されます。
そして、検察官は、24時間以内に勾留請求するか否かを決定します。
裁判所が勾留許可すると、10日間、勾留されることになります。
その後、さらに10日間、勾留が延長されることがあります。
勾留の満期日に、検察官が起訴するか否かを決定しますが、初犯で犯行態様が軽度の場
合は、略式起訴(罰金刑)となることがあります。同じ種類の犯罪を繰り返している場合
や、行為が悪質な場合は、起訴されて正式裁判となることがあります。
また、自宅に捜索差押(ガサ入れなどと呼ばれます)が入り、パソコンやCDR、性的嗜
好品などが押収されることがあります。
痴漢で捕まってしまったら、まず考えるべきことは、被害者との示談です。
しかし、痴漢の犯人が、直接、被害者と交渉をすることはできません。警察が被害者の連絡先を教えてくれないため、謝罪したくともできないのです。
そのため、特殊な場合を除いては、被害者との示談交渉は、弁護人を選任する以外に方法がありません。
軽微な痴漢事件の場合、被害者から、刑事処分を求めないという意思表示をしてもらい、慰謝料を支払って示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高いです。また、強制わいせつ罪は、申告罪ですので、告訴を取り下げてもらうことができれば、確実に不起訴になります。
したがって、被害者と示談をする、ということが、痴漢の弁護活動の中で最も重要な部分となります。
弁護士が痴漢について依頼を受けたら、まず、弁護人選任届を、捜査機関に提出します。
そして、被害者との示談を進めるため、捜査機関に被害者の意向を確認してもらいます。
また、担当の警察官や検察官から、事件の処理方針、捜査状況などを確認します。
被害者との示談がうまくいかなかった場合であっても、被害者の団体にしょく罪寄付をしたり、反省文や上申書を作成するなど、被疑者にとって有利な事情を集めて検察官にアピールし、不起訴処分を目指して検察官と折衝します。
家族が逮捕されても、逮捕時は、面会ができないため、弁護人を通じてしか被疑者と連絡を取る方法がありません。また、勾留後、家族が面会できるようになったとしても、面会時には警察官が立ち会っており込み入った話をすることはできませんし、時間も20分程度に制限されています。そのため、弁護士が、家族の橋渡しをする意義は大きいです。
また、勤務先との関係では、無断欠席が続いている状況になってしまいますので、解雇を避けるために、上司と交渉をしたりする必要があります。
不当な逮捕、勾留がなされた場合、できるだけ早く身柄を解放するために、裁判所に準抗告をするなどして、身柄拘束の不当性を訴えます。
また、勾留満期になり起訴された場合には、保釈の請求をして身柄の解放を目指します。
痴漢をする人は、家庭や職場でストレスを抱えていることが多く、うつ症状がみられることがあります。また、本人が病的に痴漢行為に傾倒しているようであれば、専門家によるカウンセリングや依存症の治療をお勧めすることもあります。
受診することで、再犯の防止にも役立ちますし、裁判になった場合、刑を軽くする情状にもなります。
起訴されて正式な裁判となったら、本人が罪を認めている場合は、できるだけ刑罰が軽くなるように、有利な証拠を集め、裁判官に対し、良い情状をアピールします。
本人が事実関係を認めていない場合は、当然、無罪を目指して闘います。
痴漢をやっていないのに容疑をかけられている、という場合には、無実を証明するための弁護活動をします。起訴される前であれば、疑いを晴らすための証拠を集めたり、容疑の不当性を捜査機関に意見したりします。裁判になってしまった場合には、無罪判決を目指して、公訴事実を争います。
宮本弁護士は、痴漢事件において、無罪判決を獲得しました。
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