全国に支店展開していたり、在籍している弁護士の人数が多い事務所のＨＰを見ると、何だか頼りになりそうな気がしてきませんか。また、これだけたくさんの弁護士が在籍しているということは、多くの人が依頼しているのだろう、と思われるかもしれません。

しかし、ほとんどの事件では、事件処理に取り組むのは一人の弁護士です。

事務所に在籍している人数が多いということは、事件処理とは無関係です。

また、全国に支店を有する事務所の場合、弁護士の頭数を揃えるために、経験の浅い弁護士が在籍していることが多いです。

事務所の規模よりも、弁護士個人の能力に着目すべきです。

刑事弁護士を選ぶ際には、事務所の規模ではなく、弁護士個人の実績などを調べて選ぶと良いでしょう。

若手弁護士だからダメということは一概には言えません。

若手弁護士は、フットワークが軽く、熱心に事件に取り組む人も多くいます。若手とはいえプロフェッショナルですから、事件処理に失敗するということは滅多に起きないと思います。

他方で、ベテランだから頼りになるかというと、必ずしもそうではありません。日々刻々と変わる法改正についていけず柔軟性を失ってしまったり、偉くなってしまって尊大に振る舞ったり、忙しすぎて迅速に動いてくれないこともあるかもしれません。

若手かベテランか、というよりも、やはり弁護士との相性で決めた方がよいと思います。

風通しよく、何でも相談できる弁護士を選らんだ方がよいでしょう。

強面の相手と交渉するのに、女性では頼りないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、女性だから能力が劣るということはありませんし、性別よりも、個々の性格によるところが大きいのではないかと思います。

やはり、男女の別よりも、弁護士個々の能力や相性が大事です。

もっとも、性犯罪の被害者など、同性の弁護士の方が相談しやすいということもあるかもしれません。

弁護士には契約書の作成義務があります。

口頭では納得していても、事件処理の帰趨によっては、後々、トラブルになることがあります。特に、報酬の支払いについては、トラブルになりやすいので、納得できるまで質問し、必ず、契約書を作ってもらうようにしましょう。

弁護士は、同時に何件もの事件処理をしているため、電話をかけてもすぐに対応できるとは限りません。しかし、電話をかけても誰も出ないとか、事務員に伝言したのに折り返しがないと困ってしまいますね。忙しすぎる弁護士は、避けた方が無難です。

とはいえ、人気のない暇な弁護士に依頼するのもためらわれますね。

忙しくとも、メールや電話などでクイックレスポンスが可能な弁護士を選びましょう

弁護士間で見解が分かれることはあります。

依頼者としては、楽観的な見通しを言ってくれる弁護士に依頼したくなるかもしれません。

しかし、あまり楽観的な見通しを述べる弁護士は避けた方が無難でしょう。

結果的にはそれが正しかったということになるかもしれませんが、依頼者に不利な事情も説明してくれる弁護士の方が信頼できるように思います。

費用を明示しない弁護士はトラブルの元です

当たり前のことなのですが、従前、弁護士の数がまだ少なかった頃は、費用について明示しない弁護士も多くいたと聞きます。おそらく、弁護士の敷居が高く、依頼者もはっきり聞きづらい部分であるため、弁護士の言い値で支払うということがまかり通っていたのでしょう。

依頼者も気にしているところですので、弁護士が説明をしないときは、納得がいくまで尋ねるべきです。

また、費用が安いという理由で選ぶのもどうかと思います。安かろう悪かろうではないと信じたいですが、弁護士の仕事はすべて手作業ですので、効率よく薄利多売することはできません。

着手金が安い場合は、裁判や調停のたびに日当を追加で請求するような事務所もあります。

トータルでいくらくらいかかりそうか、事前に尋ねることは必須です。

相性の合わない弁護士に依頼してしまい、後から弁護士を変更することになると、引き継ぎがうまくいかないこともあります。できれば、最初の段階で、複数の弁護士に法律相談をして、相性を確認した方よいです。

刑事事件の場合、逮捕されている場合、できるだけ早く弁護士に依頼する必要があるのですが、可能な限り、複数の事務所に相談されることをお勧め致します。

弁護士は職人気質の人が多く、ぶっきらぼうな対応をしてしまう人もいますが、そのような人に限って能力が高いということもあるかもしれません。

弁護士にとって何よりも大切なのは、依頼者の身になって熱心に事件処理に取り組むということです。そのような姿勢があれば、自然と依頼者に寄り添った話ぶりになるはずです。