薬物・麻薬犯罪 – 覚せい剤

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1 覚せい剤で逮捕されたらどうなるの?

覚せい剤で逮捕されるケースの多くは、現行犯逮捕です。
捜査機関の内偵が進んでいたケースや家宅捜索を実施している最中に覚せい剤が発見さ
れたケースなどがありますが、典型的には、挙動不審者への職務質問から始まり所持して
いた粉末等に簡易試験をして、陽性反応が出たのを見計らって現行犯逮捕するというもの
です。

 逮捕されてしまった場合、その後の流れはどうなるのでしょうか。

まず、逮捕されると、警察の留置場に入れられることになります。逮捕されている間
は、たとえ家族であっても本人に面会することはできません。
次に、48時間以内に、検察庁に送致され、その後、検察官は、24時間以内に勾留の請求をするか否かを決定します。

裁判所が勾留許可すると、10日間、勾留されることになります。
その後、検察官から勾留延長の請求がされ、さらに10日間、勾留が延長されることが
あります。
勾留の満期日に、検察官が起訴するか否かを決定します。起訴とは、問題となっている
犯罪について正式な裁判が開かれるという意味です。
このように、被疑者が逮捕されると、最大で23日間、身柄が拘束されることになりま
す。
また、自宅に捜索差押(「ガサ入れ」などと呼ばれます)が入り、携帯電話や薬物の売
買メモ、携帯電話などが押収されることがあります。

起訴された後は、保釈の請求をする権利があります。保釈を請求するためには、身元引
受人、保釈保証金を準備する必要があります。裁判所から保釈が許可されると、身柄が解
放され自宅に戻ることができます。

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2 弁護士に何ができるか

(1) 逮捕段階

逮捕段階では、ご家族の方でも、本人と面会することができません。ご家族の方にとっ
ては、弁護人しか本人と連絡を取る方法がなくなるため、弁護人が本人との間をつなぐ貴
重な窓口となります。ただし、弁護士倫理上、証拠隠滅に加担したり、共犯者と口裏合わ
せをするなどということはできません。

(2) 勾留段階

勾留段階になると、共犯者がいないようなケースですと、一般の方でも面会ができるよ
うになることが多いです(接見禁止と言って、弁護人以外の接見が禁止されることもあり
ます)。それでも、一般の方の面会は、警察官の立ち会いの下、時間的にも20分程度に
制限されることが通常ですので、十分にコミュニケーションを取ることができないかもし
れません。その場合、弁護士が補充的にご家族や勤務先との橋渡し役となることができます。
また、勾留期間中に捜査機関の取り調べが進んでいきますので、ご本人に対し、黙秘権
や供述調書への署名押捺拒否、調書の訂正を求める権利など、被疑者に認められた権利を
説明し、不利な証拠を作られないように指導していきます。
事実関係を否認したり、違法な捜査があったような場合は、裁判で徹底的に争うことに
なりますので、この段階でのアドバイスは極めて重要です。

(3) 起訴後

起訴されてしまったら、まず、保釈の請求をして身柄の解放を目指します。
覚せい剤事件の保釈率は、他の一般の犯罪と比べ低くなっているのが現状です。これは
覚せい剤事件の被疑者は、再犯の比率が高く、裁判で実刑となる可能性が高いことから、
逃亡のおそれがあること、また、共犯者がいるケースだと口裏合わせをする危険があるか
らなどと言われています。その他にも、犯行事実を否認していたり、薬物の濫用が進んで
いるケース、所持のケースで量が多い場合などが認められにくいとされています。
しかしながら、初犯で自白している事案ですと、比較的多く保釈が許可されています
し、個別のケースによって保釈が認められない理由は様々ですので、不許可になりそうな
原因を見つけて、それに対する手当をする等の努力が必要となります。

(4) 裁判の対応

覚せい剤は、依存性が極めて強く再犯の恐れが高いことから、 再犯の可能性がないことをいかにアピールしていくかがポイントとなります。そのため、本人の反省状況、親族等
による監督、ダルク等の施設への入所、病院等での治療など、再犯の可能性がないことを
訴えていくことが必要です。

また、覚せい剤等の捜索・押収、尿の採取手続き、身体拘束手続きをめぐって、捜査の
違法性
が問題になることもあります。そのような場合には、捜査機関に抗議するのはもち
ろんのこと、裁判の段階では、違法に収集された証拠の排除を求める等の活動をします。
覚せい剤事件では、初犯だと執行猶予、2回目からは実刑などと言われます。

しかしながら、初犯でも複数の事件を同時に起訴されているケースや、所持の量が多い
ケースなどは、実刑判決となる可能性がありますので、有利な情状を集めて万全の体制で
裁判に望む必要があります。
逆に、再犯の場合でも、1回目の猶予期間が満了して時間が経っている場合には、執行
猶予判決となる場合もありますし、仮に実刑になる場合でも、できるだけ刑期を軽くする
努力はする必要があります。

(5) 再犯防止のための活動

ただ単に刑を軽くするための弁護活動をしても、出所後、再度覚せい剤に手を出してし
まったのでは元も子もありません。そのため、再犯を防止するため、ダルク等の施設への
入所、病院等での治療などをお勧めすることがあります。また、このような治療施設に通
院することが、裁判でも良い情状として評価されることがあります。

弁護士宮本大祐コラム

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