わいせつ・性犯罪 – 盗撮 2

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3 盗撮事件の特徴

携帯電話の性能が上がっていることや、盗撮カメラがインターネット等で容易に入手できるような状況にあることから、極めて現代的な犯罪といえます。スマホが普及したことにより、出来心で思わず撮影してしまったという方が増えています。
 犯罪とは縁のなさそうな、ごく普通の男性が事件を起こすことも多く、警察に捕まったときの本人や家族の衝撃は大きいです。

また、余罪が多いというのも盗撮事件の特徴です。
生まれて初めて盗撮したら、捕まってしまったという人は少数派です。たいていは、何件もやっているうちに、警戒心が緩み捕まってしまったというケースです。

 

 

一口に盗撮といっても、処罰される根拠は様々です。
 店内や路上、電車内で、スカート内や胸付近を盗撮したような場合は、性的姿態撮影等処罰法違反となります。
また,会社のトイレ,更衣室,学校の教室などに小型カメラを設置したような場合も,同法違反となります。
また,盗撮をするために無断で住宅に侵入した場合には「住居侵入罪」が、建物のトイレや風呂場に侵入した場合には「建造物侵入罪」が成立することもあります。

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4 盗撮事件の解決事例


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5 盗撮事件のQ&A

捕まった件以外にも余罪があるのですが、発覚したら重く処罰されますか?

盗撮事件で捕まる場合、今回が初めての盗撮であるという人よりも、何度もやっているうちに見つかってしまったという人の方が圧倒的に多いです。
 その場合、カメラの中に、多数の余罪写真が保存されていることが多いですが、スカートの中を隠し撮りするような場合、被害者の顔が写っていないことがほとんどですし、被害届も出ていないでしょうから、事件を特定することが困難です。そのため、別途立件される可能性はさほど高くはありません。
 もっとも、余罪が多数あることは、被疑者にとって不利な事情となりますから、あまり件数が多いと刑罰が重くなる可能性はあります。
また、被害届が出ている場合や証拠から犯行が特定できるような場合は、別途、立件される可能性もあります。

 

携帯やパソコンに保存してある画像を消去してもよいのでしょうか?

犯人が自ら不利益な証拠を隠滅することは犯罪とはされていません。しかし、警察の科学捜査によりデータの復旧をすることは可能ですので、削除したことが判明した場合、行為が悪質であるとして重く処罰される事情となる可能性があります。
 また、弁護士としては、証拠を隠滅することを唆すことはできませんので、消去してくださいというアドバイスをすることはできません。

 

盗撮をした際、取り押さえられそうになったため逃げました。この後どうなるのでしょうか?

盗撮をした状況、逃走した状況により異なりますが、犯人を特定できるような情報を残していない限り、あとから逮捕される可能性は低いでしょう。しかし、駅構内で防犯カメラに写っていたり、自分のことを知っている目撃者がいる場合などは、容疑がかかる可能性を否定できません。
 刑を軽くしたり、逮捕を避けるために自首するという方法もありますが、自首したからといって、必ずしも刑が軽くなるとも言い切れず、また、立件される可能性との対比からも、事件ごとに具体的に検討する必要があります。

 

家族に内緒にしておくことはできるでしょうか?

逮捕されていないケースであれば、内緒にしておくことができる場合が多いです。
 もっとも、発覚時に、警察に任意同行され、家族の人に迎えに来てもらったという場合には、伝わってしまいます。
また、刑を軽くするために、家族の人に再犯を予防するために監督しますという内容の上申書を書いてもらうことがあります。裁判になれば、証人として出廷をお願いするかもしれません。
 家族の協力が得られないということは、このような有利な情状を作っていくことができなくなりますので、家族に伝えるかどうかは、最終的にはご本人の判断ということになります。

 

盗撮をしたらマスコミで報道されてしまうのでしょうか。

一般の会社員の方ですと、盗撮で報道される可能性はかなり低いです。盗撮は万引きなどと同様に発生件数が多く、また、比較的軽微な犯罪ですので、ニュースになりにくいからです。
しかし、公務員や裁判官、僧侶など、高い倫理観が求められる職業に就いている方の場合、報道されるリスクが高まります。
 報道されるタイミングとしては、逮捕時、検察への送致時、判決時などが考えられます。
 弁護士から捜査機関に、マスコミへリークしないよう申し入れをすることもありますが、あまり効果がないのが現状です。

 

盗撮をしたら勤務先に発覚してしまうのでしょうか。

逮捕されずに在宅で捜査が進んでいる場合は、自分から申告しない限り発覚しないことがほとんどです。
 もっとも、賞罰については、会社に申告をしなければならない事実ですから、本来、申告しなければなりません。しかしながら、盗撮による刑罰は、初犯の場合、罰金刑がほとんどであるのに対し、盗撮により前科がついた場合の会社による懲戒処分は、それ以上に重く、場合によっては解雇されることもあります。
 そのため、多くの方は、できるだけ会社には内緒にして生活を守るという選択をされます。この点について、弁護士は立場上、会社に嘘をつくように指導することはできませんが、依頼者の方針を尊重するようにしています。

 

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6 法定刑・関連条文

 

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律

(性的姿態等撮影)
第二条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
三 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2 前項の罪の未遂は、罰する。
3 前二項の規定は、刑法第百七十六条及び第百七十九条第一項の規定の適用を妨げない。

軽犯罪法

第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三  正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
 科料(1000円以上1万円未満)

刑法(住居侵入等)

第百三十条  正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する

弁護士宮本大祐コラム

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