殺人事件の被害者遺族

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一般の方からの刑事事件に関する投稿です。

7年前、私の叔父が殺人被害で亡くなりました。犯人は、自ら救急へ連絡し、血まみれになった叔父を「汚いから早くどかせ」と救急隊員を罵倒したそうです。即、警察がかけつけ、現行犯逮捕となりました。 この段階では、医師の死亡診断前ということもあり、殺人未遂での逮捕です。数時間後に死亡が確認され、犯人は殺人で再逮捕となり、留置されました。刑事事件ということもあり、叔父の遺体は返されぬまま、数日が経った時、悔しい思いも冷めぬ状態でありながら、検察へ呼び出されました。

叔父は未婚であった為、身内である近親者が呼び出され、私もその内の1人でした。
検察へは、私を含め3人で出向き、1名ずつ個室に呼び出される流れになっており、私は、他の身内が終わるのを、数時間、待たされる形になっていました。
さて、私の番が来て部屋に入ると、正面には検察官、横には事務官が座っており、早速、叔父の事への質問が開始されました。内容としては「叔父との関係」「叔父の人柄」「普段の叔父との接し方」などを聞かれ、話をしているうちに、殺されるような人ではない、犯人が悪いというというシナリオを作る為に細かな情報を把握したいというのが理解できました。
40分程度、検察官と会話した後、一度、退席し、更に1時間後、呼び出されました。検察官は、私との会話を文書化したものを、読み上げ始めました。この文書化されたものが、いわゆる「調書」というもので、裁判時に提出されるものというのを知りました。調書と聞くと、何故か、こちらが犯人扱いされているかのような違和感がありました。
検察官が読み上げた調書に問題が無いか問われ、問題がなければサインをして下さいと言われました。正直、被害者の立場に立って親身になどほど遠く、威圧さえ感じてしまいました。その反面、少しの会話から、主要なキーワードを用いて、文書化できる事にも驚きがありました。この検察での調書が終われば、後は裁判を待つばかりです。何故か、判決に至るまで検事が何度も交代しました。期間がある程度、掛かってしまったからかもしれません。
殺人に限らず、加害者になるのはもとより、被害者も、時間や労力を費やさなければなりません。いずれも地獄です。判決が終身刑でなければ、出所した後の逆恨みさえ、被害者側からすると恐怖に感じます。
このような経験は、2度としたくないと願うばかりです。

<弁護士コメント>
 従前、日本の裁判では、被害者の存在が無視されているということで、被害者が法廷で意見を陳述できるようになったり、当事者として参加できるようになるなどの改正がなされてきました。それでも、捜査の過程では、思い出したくない出来事を捜査機関から聴取され、何度も辛い思いをされてしまう場合があります。性犯罪被害などは特にその傾向が顕著です。捜査機関でも一定の配慮はなされているのでしょうが、十分でない場合もあるものと思われます。
亡くなられた叔父様には心よりご冥福をお祈りします。

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弁護士宮本大祐コラム

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