ひき逃げの救済手段

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一般の方からの刑事事件に関する投稿です。

それは、私が東京八王子という所に住んでいた時起こった出来事でした。
時間は夜の八時にはなっていなかったと思うのですが、あたりはすっかり暗くなっていました。季節は、記憶がはっきりしないのですが、晩秋くらいだったと思います。その日、京王八王子から仕事帰り追分というバス停留所で降りようとして起こったひき逃げ事件でした。
私がバスを降りようとしますと、私の前に男の子が先に立ちあがりました。そして、バスが停留所に滑り込み、ドアが開きました。男の子が降りようとした時、停留所とバスの間をバイクが通り抜け、わたしの視界から消えました。それは一瞬の出来事で、私は何が起こったか分かりませんでした。男の子は、倒れています。そして、バイクは視界から去っていこうとしていました。 私は大声をあげて、そのバイクを止めようとしました。けれど、声が出ないのです。バイクは、すぐ側の路地に入って消えてしまいました。
男の子は立ち上がり、ヨロヨロと歩き出しました。外傷はないようです。けれど、バイクにぶつけられたのです。歩いて良いわけもなく、第一現場を検証しなければ、事故に会ったことを証明すらできません。私は男の子に声をかけて引き止めました。男の子は小学5~6年位で、恐怖と混乱で肩を震わせて泣いていました。私は「警察の人に来てもらうから。」と言い、それから男の子の電話番号を尋ね、警察と男の子の家に電話を入れました。

ほどなく、警察官とお母さんが心配げに駆けつけました。警察官は事情聴取をはじめました。私は概要と経緯を話し、バスとバス停の間に70センチ以上の空間があった気がする。その隙間にバイクが突っ込んできた。バイクは、もしかしたら、バスが停留所に止まると思わなくて、開いたスペースに入ってきたのだと思える。そのバスの行き先とダイヤも調べれば、キチッとバス停に寄せて、乗客の安全性を確かめなかったバスの責任もあるのではと警察官に言いました。行き先と時間で、そのバスも特定できるのではないかと付け加えました。警察官は丁寧に礼を言ってくれ、この事故は犯人が捕まらなくても、被害者には国家賠償がされる旨私に伝えました。母親の方も丁寧に何度もお礼を言ってくれました。その後、犯人が捕まったかどうかまでは分かりません。けれど、この事故の教訓は、こうした事故は、ちょっとした油断で、いつでも起こりやすいということです。バスから降りる時は、充分確認して降りることが大切です。

<弁護士のコメント>
ひき逃げの犯人は、自動車運転過失致傷罪に加え、道路交通法上の救護義務違反や報告義務違反となり、重い罰に問われます。
被害者は、犯人が捕まらなかった場合、民事上の損害賠償請求もできないのでしょうか。
投稿にもあるように、「自動車損害賠償保障事業」といって、国が補償してくれることもあります。あきらめないで、弁護士に相談して手段を尽くしましょう。

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弁護士宮本大祐コラム

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