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交通事故により人を死傷させた場合の犯罪は、自動車運転過失致死傷罪と危険運転致死傷罪の2つがあります。
これにつき、先日の国会で新しい法案が成立し、両者の中間にあたる類型の犯罪が新設されることになりました。平成26年5月までに施行されます。
従前、交通事故による悲惨な死亡事故が多発したことを受けて、被害者遺族らの強い要望により、平成13年に危険運転致死傷罪が規定されました。
しかし、危険運転致死傷罪を成立させるにはハードルが大変高く、少々危険な運転をしただけでは、同罪は成立しません。すると、刑の軽い、自動車運転過失致死傷罪で処罰されることになってしまいます。
しかし、真面目な人が本当にうっかり人をひいてしまった場合と、酒を飲んで乱暴な運転をした挙げ句人をひいた人とが、同じ罪名で処分されるのは、いかにも納得がいきません。
悪質なドライバーにひき殺されたのに、ほんの数年の刑しか与えられないのでは、被害者の遺族は到底納得できないでしょう。
今回の改正では、そのような要望を汲んで、両罪の中間のような犯罪が規定されることになりました。
従来の危険運転致死傷罪では、「正常な運転が困難な状態」という厳しい要件が必要だったのですが、新法では、「正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で運転し、人を死傷させた」という、若干緩やかな条件で犯罪が成立することになりました。
刑罰の上限も、従前の危険運転致死傷罪が20年であるのに対し、新法では懲役15年の犯罪が新設されました。ちなみに、自動車運転過失致死傷罪は、最高でも7年です。
また、飲酒の発覚を免れるために、事故後にさらに飲酒して、事故当時に飲酒していたことをごまかした場合にも、刑を免れることがないように、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪という犯罪も新設されました。また、無免許運転による、刑の加重もあります。
私が、被害者参加弁護士を務めた事件で、無免許で、かつ、事後飲酒により発覚を免れようとした事案がありました。その事案は、結局、自動車運転過失致死罪として処罰され、極めて短い刑で判決が言い渡されてしまいました。新法がもっと早くできていれば、もっと重く処罰されていたかもしれないと思うといたたまれません。
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