スーパー銭湯で女児を盗撮した男性逮捕~児童ポルノ禁止法違反

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スーパー銭湯で、腕時計型ビデオカメラを使って、幼い女の子を撮影した男性が、児童ポルノ製造の罪で、兵庫県警に逮捕されました。

平成26年7月、児童ポルノ禁止法が改正され、18歳未満の女児を撮影した児童ポルノの単純所持、盗撮による児童ポルノの製造が処罰されることとなりました(ただし単純所持については、罰則の適用が1年間猶予されています)。本件は、全国で初めての適用例となります。

男性は、別の女児の撮影について、迷惑防止条例でも逮捕されています。

それでは、迷惑防止条例と改正児童ポルノ禁止法は、どのように違うのでしょうか。

迷惑防止条例は、盗撮事件の場合に、最も多く適用される条例です。「公共の場所」で衣服等で覆われている部分を「撮影すること」で犯罪が成立します。つまり、スカートの中や服の胸元から撮影したような場合です。
撮影に失敗し、女性の足の部分しか撮れなかった場合は、「卑わいな言動」にあたるということで処罰されます。

これに対し、児童ポルノの製造についてみると、撮影した写真が「児童ポルノ」に該当する必要があります。「児童ポルノ」とは、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」でなければいけません。
また、未遂を罰する規定がないことから、撮影に失敗した場合は、この規定では処罰されません。逆に、「公共の場所」という限定がありませんので、個人の住居などでの盗撮行為も処罰の対象となります。

このような違いがあるため、同じように、女児を盗撮した場合であっても、適用される法令が異なることが起きてくるでしょう。

刑罰の重さについては、迷惑防止条例違反の場合、「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」であるのに対し、児童ポルノ製造罪は、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」となっており、児童ポルノ製造罪の方が重くなっています。

ちなみに、のぞき見ただけの場合は、軽犯罪法で処罰される可能性があります。この場は、「拘留又は科料」といって、軽い法定刑が定められています。

このように、のぞき見ただけの場合 → 盗撮した場合 → 女児を盗撮した場合 というように、徐々に重くなっているのがおわかり頂けたかと思います。

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弁護士宮本大祐コラム

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