脱法ドラッグ?合法ドラッグ?

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「脱法ハーブ店の経営者ら逮捕」「傷害で逮捕のタクシー運転手、脱法ハーブ吸引か」「脱法ハーブでの救急搬送が激増」等々・・・

  近年、「脱法ドラッグ」の記事を連日のように見かけます。

  「脱法ドラッグ」「脱法ハーブ」とは、麻薬や覚せい剤など、違法な規制薬物と類似した効果があるのに、規制薬物を含んでいない物質のことを言います。ユーザーの間では、「合法ドラッグ」などと呼ばれていますが、これらは果たして本当に「合法」なのでしょうか。

インターネットで検索してみると、「合法ハーブ売ります」「脱法ハーブ激安、格安ネット通販」などと、いかにも怪しげなサイトが百花繚乱の状態です。そこでは、摂取するためではなく、あくまでも観賞用、お香などとして、規制をかいくぐるようにして売られています。

ドラッグを取り締まる法律には、大麻取締法、覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法、あへん法、条例等のいわゆる麻薬5法があります。

そして、「脱法ドラッグ」は、これらの法律により規制されている成分を含んでおらず、その意味では法に反していないかのようです。しかし、麻薬5法によって薬物が取り締まられているのは、健康被害や酩酊作用による2次犯罪を誘発するなど、社会に悪影響を与えるからです。

「脱法ドラッグ」は、このような悪しき効果については、規制薬物と全く同じであり、むしろ健康被害については、規制をくぐり抜けるため、改悪されているものも多いです。また、「合法」として売られているものの中には、より強い酩酊効果をあげるため、こっそり覚せい剤が添加されている場合があります。そうすると、「合法」のつもりで使用しても、覚せい剤取締法違反で逮捕されてしまうということにもなりかねません。

 そこで、このような「脱法ドラッグ」を取り締まるために、法律が改正されるなどして規制がされてきました。しかし、販売業者は、これに対抗して規制薬物とわずかに異なる新たな薬物を作り出すなどして、規制と脱法のいたちごっこが繰り返されてきました。

  このようないたちごっこの中で、平成18年、薬事法が改正され、厚生労働大臣が指定する物質につき、輸入、製造、流通、販売、販売目的の貯蔵、陳列等が禁止され、違反には懲役刑を含む罰則が定められました。これは。麻薬にくらべ、有害性が十分に証明されていない段階でも指定を可能にし、新規薬物にすばやく対応することができるようになったため、効果的な規制となりました。

もっとも、その後も新たな新規薬物が販売されたり、これに対し、東京都などの自治体が指導取り締まりを強化したりするなど、いたちごっこは続いております。

 今後も、規制の強化とこれをくぐり抜けようとする悪漢のいたちごっこは宿命といえるでしょう。

 このような状況に対しては、規制強化や取り締まりも必要ですが、ユーザーに対し脱法ドラッグの危険性について情報提供をすることや、青年期における教育や啓発が重要であると思います。

→脱法ドラッグについての詳細はコチラ

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弁護士宮本大祐コラム

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