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 痴漢や盗撮などを処罰するため各都道府県で規定されている,いわゆる迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)が改正されました。
 条例の名前も改正され,愛知県迷惑行為防止条例となっています。
 施行は,平成31年1月1日です。

 改正の概要について説明します。
 
 従前の条例では,「公共の場所又は公共の乗物において」という要件があったため,会社の更衣室やトイレ,風呂など,プライベートな場所において発生する盗撮や痴漢を規制することができませんでした。そのため苦肉の策として,建造物侵入や軽犯罪法などで立件していました。
 近年,スマホの高性能化,小型カメラがネット等で容易に入手できるようになったことなどから,プライベートな場所にカメラを仕掛けて盗撮する事例が増えています。

 そこで,このようなケースを規制するため,公共の場所や公共の乗り物に加え,不特定又は多数の人が利用する場所・乗物で行われた行為が規制の対象となりました。
また,住居、浴場、便所、更衣室等の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所について,改正前は,「公衆が利用することができる」という要件が必要でしたが,これが不要となりました。
これにより,下記のような場所が規制の対象となりました。

【例】
学校の教室、体育館、廊下や会社の事務所,マンション等のエントランス、通路、階段,インターネットカフェやカラオケボックスの個室,タクシー、貸し切りバス,住居、ホテル、旅館、民泊施設の居室,学校、会社のトイレ、更衣室

 行為についても,のぞき見・盗撮目的でカメラを設置する行為が規制されるようになりました。
 また,女性のスカート内を撮影しようとして失敗したような場合,従前は,盗撮未遂を罰する条項がなかったため,「卑猥な言動」という抽象的な規定で処罰がされていました。
 これが今回の改正により,女性のスカート内に写真機等を差し入れたものの、撮影を始める前に発覚した場合や撮影に失敗し、画像が残っていなかった場合についても,規制の対象となりました。

 罰則についても,下記のとおり引き上げられています。

改正前 6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
改正後 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

(常習として違反行為をした者)
改正前 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
改正後 2年以下の懲役又は100万円以下の罰金

 また,今回の改正で,盗撮や痴漢の他に,ストーカー規制法の適用外であった,恋愛感情の伴わないストーカー行為を規制するための改正もなされています。

(卑わいな行為の禁止)
 第二条の二 何人も、公共の場所又は公共の乗物(第三項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
 二 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
 三 前号に掲げる行為をする目的で、写真機、ビデオカメラその他の機器(以下「写真
機等」という。)を設置し、又は衣服等で覆われている人の身体若しくは下着に向け
ること。
 四 前三号に掲げるもののほか、人に対し、卑わいな言動をすること。
2 何人も、学校、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用することができる場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物に該当するもの及び次項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
 二 前号に掲げる行為をする目的で、写真機等を設置し、又は衣服等で覆われている人の身体若しくは下着に向けること。
3 何人も、住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状
態でいるような場所において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を
覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 人の姿態をのぞき見し、又は撮影すること。
 二 前号に掲げる行為をする目的で、写真機等を設置し、又は人の姿態に向けること。

平成31年2月19日(火)

  • 盗撮事件につき、罰金刑となった事例
  • 複数の盗撮事件につき、示談により罰金刑となった事例
  • 盗撮・覗き事件につき、示談により不起訴となった事例
  • 盗撮事件で、示談成立により不起訴となった事例
  • CLASSY.
  • 電車内の痴漢事件で逮捕勾留された後、不起訴となった事例
  • 痴漢えん罪事件で不起訴となった事例
  • ひき逃げ事件で、不起訴となった事例
  • 盗撮事件で、被害者から嘆願書を取得し不起訴となった事例
  • 盗撮事件(迷惑防止条例違反)、示談成立により不起訴となった事例
  • 同種前歴のある万引き事件で,窃盗症の入院治療を経て,不起訴となった事例
  • 被害者が重傷を負った過失運転致傷事件で不起訴となった事例
  • 刑務所に服役中、被害者から慰謝料を請求された事例
  • 更衣室の盗撮事件で不起訴となった事例
  • 被害者の親族として刑事裁判に被害者参加した事例
  • 愛知県の迷惑防止条例が改正されました
  • わいせつ関連事件で罰金刑となった事例
  • 接見室からの逃走
  • 受刑者の逃走について(開放的刑事施設のあり方)
  • 複数の強制わいせつ事件につき、求刑を大幅に下回る判決となった事例
  • 電車内の痴漢について、性依存症の治療機関に通所するなどした事案
  • 集団準強姦につき示談により不起訴となった事例
  • 前科あり、複数の盗撮で不起訴処分となった事例
  • 少年による盗撮事件で不処分となった事例
  • AERAムック
  • 執行猶予期間中の再犯のケース
  • 強制わいせつ罪の非親告罪化
  • 再犯防止推進法
  • 複数の未成年者に対する盗撮事件で不起訴となった事例
  • 忘れられる権利とは
  • 強制わいせつ罪の判例変更
  • 少年法の適用年令引き下げについて
  • 『入門 犯罪心理学』 著者 原田隆之  ちくま新書
  • 麻薬の輸入を企てた事件で、実刑判決となった事例
  • 非行・犯罪の心理臨床
  • 発達障害と犯罪
  • 「ハームリダクション」とは何か
  • 殺人未遂罪で逮捕後、示談により不起訴となった事例
  • 「男が痴漢になる理由」
  • 他人名義のカード使用(詐欺罪)で不起訴となった事例2
  • 他人名義のカード使用(詐欺罪)で不起訴となった事例1
  • 6回目の万引きで執行猶予付の判決となった事例
  • 公務員による強姦未遂,強制わいせつなど3件の事例
  • 18歳未満の年少者を宴席で働かせたとして労働基準法違反となった事例
  • 傷害罪・恐喝罪で執行猶予判決となった事案
  • 万引きを繰り返し公判請求された事例
  • 略式起訴寸前で処分が覆った事例(青少年保護育成条例違反)
  • 住居侵入事件で示談により不起訴となった事例
  • 被害者が被害届を提出する前に、示談により事件化を防いだ事例
  • 傷害罪で罰金刑となった事案
  • 強制わいせつ罪で告訴取り下げにより不起訴となった事例
  • 覚せい剤 再犯 執行猶予 覚せい剤使用の3年以内の再犯で執行猶予判決となった事案
  • 強姦神話とは
  • 執行猶予中の盗撮事件で略式起訴となった事例
  • 性犯罪の3回目の犯行で性依存症の治療につなげた事例
  • 仮釈放について
  • 司法取引について
  • 不起訴処分について
  • 依存症を治療する様々な方法について
  • クレプトマニアとは
  • 性依存症とは
  • 性犯罪の厳罰化について
  • 3度目の盗撮で不起訴。逮捕後、準抗告により勾留取消となった事例
  • 刑務所と福祉
  • 「刑の一部執行猶予制度について」
  • 「保護観察所の専門的処遇プログラム」
  • 有印公文書偽造・同行使・詐欺罪
  • 売られた喧嘩でも傷害罪
  • 生活苦による万引き
  • 傷害罪で示談成立により不起訴になった事例
  • 大麻所持
  • 覚せい剤中毒
  • 無銭飲食(詐欺罪)
  • ポケモンGOと刑事事件
  • 児童買春
  • 高畑裕太容疑者と強姦致傷罪
  • 友人間の窃盗
  • 加害者の友人・家族
  • 盗撮の再犯で不起訴。示談、性依存症の治療計画など
  • 強姦・強制わいせつ事件で3件の示談が成功した事例
  • 盗撮事件(迷惑防止条例違反)、示談成立により不起訴
  • 盗撮事件(迷惑防止条例違反),示談成立により不起訴
  • 横領事件で勤務先と交渉し示談成立
  • 盗撮の再犯で不起訴(迷惑防止条例違反)
  • 覚せい剤使用(再犯)・執行猶予
  • 自動車運転過失致死(ひき逃げ)で被害者参加しました
  • 覚せい剤使用の再犯で執行猶予判決となった事例
  • 電車内での盗撮事件(迷惑防止条例違反)不起訴
  • 路上の痴漢(強制わいせつ罪2件)で執行猶予判決となった事案
  • 電車内の痴漢(強制わいせつ罪)で執行猶予判決となった事案
  • 児童への痴漢行為(迷惑防止条例)不起訴
  • 保険金詐欺(未遂)・執行猶予
  • 住居侵入(覗き・盗撮)執行猶予
  • 電車内での痴漢(迷惑防止条例違反)不起訴
  • 盗撮・同種前科あり、示談せず不起訴となった事案
  • 盗撮・同種前科あり、被害者2名との示談が成立し、不起訴となった事案
  • 殺人事件の被害者遺族
  • 神社の神職が盗撮容疑で逮捕
  • ひき逃げの救済手段
  • ひき逃げによる転落
  • 危険ドラッグの危険性
  • 窃盗の累犯~執行猶予
  • 留置場内での交流~覚醒剤中毒者
  • えん罪のはずが窃盗犯に
  • 盗撮事件(迷惑防止条例違反)の再犯 不起訴
  • 暴行脅迫による借金取り立て
  • 覚せい剤~初めての使用でいきなり逮捕
  • お酒が原因となった犯罪~傷害罪
  • 万引きで逮捕→勾留前に釈放
  • タイヤ泥棒~若気の至りでは済まされません
  • 美人局の盗撮バージョン?
  • 器物損壊罪~弁護士による示談交渉
  • 電車内での痴漢えん罪
  • 傷害の被害者転じて恐喝の加害者へ
  • 告訴と被害届の違い~名誉毀損罪
  • 下着ドロとの示談~窃盗被害の体験
  • 詐欺・恐喝被害に遭った体験談
  • インターネットによる誹謗中傷~名誉毀損罪
  • 突然の交通事故~被害者も加害者も弁護士にご相談を
  • 万引き(窃盗罪・刑法235条)で逮捕されることもあります
  • 他人名義の口座作成~銀行に対する詐欺
  • 強制わいせつ罪2件、執行猶予判決
  • 威力業務妨害・偽計業務妨害~練馬区HPへの書き込み事件から
  • 1人の女性に2人の痴漢~痴漢犯人同時逮捕
  • 非現住建造物放火~自己所有の場合
  • 賄賂の罪~美濃加茂市長の初公判~
  • 盗撮に失敗した場合~未遂でも処罰されるか
  • 心神喪失・心神耗弱とは~責任能力の刑事弁護
  • 最近の事件から~傷害致死と殺人の故意
  • 交通事故犯罪~危険運転致死罪と自動車運転死傷行為処罰法
  • DNA鑑定の信用性
  • 採用情報
  • 犬は家族というけれど~器物損壊
  • スーパー銭湯で女児を盗撮した男性逮捕~児童ポルノ禁止法違反
  • 前科とは何か? 前科を付けない弁護活動。
  • 痴漢により逮捕・起訴されたが無罪判決となった事例
  • 恐喝により逮捕されたが不起訴となった事例
  • 大麻栽培により逮捕されたが不起訴となった事例
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  • 窃盗で逮捕されたが起訴猶予処分となった事例
  • 盗撮(迷惑防止条例違反)で不起訴となった事案
  • 連続強盗で、酌量減刑により、 法定刑の下限を下回る判決
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