他人名義の口座作成~銀行に対する詐欺

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一般の方からの刑事事件に関する体験談です。

 

ある日、警察から携帯電話に連絡が来ました。

私は警察関係者でもないし、いままで刑事事件を起こした経験もありません。それなのに警察から携帯電話に連絡が来たのです。当然これはオレオレ詐欺の変化版だろうと適当に相槌を打って相手のボロを探していたのですが、本当の警察官だということは後から分ることになったのです。

携帯電話からの指示は、地方銀行の口座の確認と、携帯電話会社に連絡を取れと言うものでした。早速指定された銀行の電話番号を探し「支店長お願いします」と呼び出し、なぜ自分が支店長を呼び出しているのかを知らないなかで、電話を掛けた経緯だけを知らせたのです。

簡単にいうと、何者かが私の口座を新たに作り、その口座が詐欺に使われているということです。その口座のロックをお願いし、すぐに支店に向かいました。隣の市にある支店まで行くと概要だけは教えてくれましたが、肝心の誰が作ったのかは教えてくれません。

口座は私が使っていない休眠会社の名義で、犯人はその会社の謄本と新しく作った印鑑と会社の名刺を持っていったために会社の口座は開けたそうです。名刺に記載された電話に確認すると女性事務員が出たそうですが、そこがダミーの電話だということをあとから警察に教えてもらったのです。

手口は口座を開きその口座をもとに、今流行りのスマートフォンを会社用として多数契約をして転売する手口らしいことが分りました。手元には窓口に来た男性の免許証があるそうですが見せてはもらえません。

とりあえず状況は分ったので、次に携帯電話のキャリアに連絡を入れました。すでに通話は

ストップしていますが、利用した莫大な金額が私の会社名義で残債として残っているそうです。

通常であれば弁護士を立てて事情を説明し示談にすることになると思うのですが、この手口で百件近くの事件を起こしているらしく、携帯キャリアも同じ被害をたくさん受けていたようで、残債分については不問となりましたし、私の信用調査についても問題なく処理してくれるそうです。

ちなみに結果として私に被害が発生しなかったことから、「被害届」の調書ではなく別なもので起訴・裁判の証拠としてしようする調書を作成しました。犯人は逮捕されていますが、現在も実行犯や係わった組織のものが逃走しているということを聞いています。

 

<弁護士コメント>

自分の名義ではない口座を作らせたという銀行に対する詐欺罪、他人名義の携帯を多数売らせたという携帯電話会社に対する詐欺が成立します。

このように、会社の登記簿謄本は法務局で誰にでも取得できるため、実際には稼働していない休眠会社の謄本を悪用して詐欺などに利用されるケースが増えています。

また、本件では、知らない間に名義を使われていたということですが、犯罪に利用されることを知っていながら自分の名義を貸して口座を作らせた場合には、詐欺の共犯になってしまいますので注意が必要です。

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弁護士宮本大祐コラム

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