職場の関係者に対し,暴行を加え,金銭を喝取した事案です。
処断刑としては,概ね相場どおりの内容でしたが,暴行の態様について争ったところ,弁護人の主張どおりの認定がなされ,検察官が起訴状に記載した事実と異なる判決となりました。
被害者と示談を試みましたが,示談金を受領してもらえなかったため,法務局に被害金相当額を供託しました。供託とは,債権者が金銭の受領を拒んだような場合に,法務局に金銭を提出し,債権者が望めばいつでも受け取れる状態にしておくことで,債務者が債務を免れることができるという制度です。
被害者が示談を拒んだような場合に,せめて金銭賠償の義務だけでも果たしたことを証明するために,供託という手段を取ることがあります。
また,本件では,依頼者が母に対し欠かさず仕送りをしていたという事情があったため,証人として母親に出廷してもらいました。
また,勾留中にも,取引先と提携した仕事が進んでいたため,取引先の関係者にも証人になってもらいました。
さらに,内妻も証人として出廷し,今後の監督を誓約しました。
これらの事情がどの程度判決に影響したか不明ですが,無事,執行猶予付の判決となりました。