図書館内で、女性のスカート内をスマホで撮影していたところ、目撃者に通報されてしまったケースです。
同種の前科があり、示談しなければ正式な裁判になる可能性がありました。
しかしながら、目撃者や図書館司書と話をしているうちに、被害者が被害にあったことに気づかず立ち去ってしまいました。防犯カメラ等からも被害者を特定できる情報がなかったことから、警察も被害者の身元を把握できないでいました。
当然、示談交渉すらできません。
そのため、弁護士会にしょく罪寄付をして、反省の意を表すことにしました。弁護士会への寄付は、犯罪被害者や難民援助のために使用されますので、被疑者に有利な情状として扱われることがあります。
本件では、被害者への示談金相当額をしょく罪寄付しました。
また、ご本人も再犯ということもあり、大変反省していたため、弁護人の指導の下、反省文を作成し検察官に提出しました。さらに、配偶者の理解を得て、再犯をしないように監督するという内容の上申書も提出しました。
このような努力が功を奏し、不起訴処分となりました。
このように、前科がある場合や示談が不可能な場合、あきらめずできることをすべてやることが重要です。